mamiwaです。
高校無機化学シリーズで、まとめてみたいと思います。語呂合わせも入れました。
希ガスとは
周期表の一番右側の列である、18族の元素のことを「希ガス」と呼びます。
なぜ、希ガスという呼び名なのかというと、空気中の存在量が希少であるからだそうです。(「希」という漢字には、「薄い」「少ない」という意味があります。)
周期表は、列ごとに似た性質をもつことが知られています。
縦に読んで
平和(He)に寝たり(Ne)歩いたり(Ar)して暮らす(Kr)キセラドン(Xe)(Rn)
怪獣(キセラドン)の安定した生活をイメージする語呂合わせですね。
(私が考えたわけではなく、有名な覚え方です!)
それでは希ガスには、どのような特徴があるのでしょうか。
希ガスの特徴
気体
希ガスの単体は、全て常温で気体の状態で存在しています。
いずれも、沸点が低く、無色・無臭である特徴があります。
閉殻構造
希ガスは、価電子数がゼロであり、安定した電子配置をとっています。
ヘリウムの最外殻電子数は2、他の原子は8で、閉殻構造をとっています。
単原子分子
閉殻構造をとっているため、希ガスは単体の状態で安定しています。
それは、わざわざ他の原子と化学結合をする必要がないことを表しているため、化合物を作らず、単原子分子として存在しています。
それぞれの性質
基本情報と用途を紹介します。
ちょこちょこmamiwaのコメントつきでお送りします。
He (ヘリウム)
名前の由来は、ギリシャ語のherios 太陽
原子番号:2 原子量:4.003
融点:-272.2℃(加圧下) 沸点:-268.934℃
密度:0.0001785 g/cm3
常温・常圧における単体の状態:気体
発見された年代:1868年
K殻に電子が2個あります。
・声が高くなるガスや風船を膨らませるのに使われるが「ヘリウム」です。
声が高くなるからといって、純度の高いヘリウムを調子にのって吸うと、窒息するので遊ぶ時には注意しましょうね。
・ヘリウムは、水素の次に軽く、不燃性であるので飛行船にも使われています。
・常温では気体のヘリウムですが、温度を下げて液体にすると、超伝導磁石などの冷却剤として役に立ちます。(超伝導といえば、リニアモーターカーですね!ある温度以下にすると電気抵抗がゼロになることを利用する仕組みなので冷却剤の存在はかなり大事!)
Ne (ネオン)
名前の由来は、ギリシャ語のneos 新しい
原子番号:10 原子量:20.18
融点:-248.67℃ 沸点:-246.05℃
密度:0.00089994 g/cm3
常温・常圧における単体の状態:気体
発見された年代:1898年
L殻に電子が8個あります。
・放電すると、赤寄りのオレンジ色に光ります。
Ar (アルゴン)
名前の由来は、ギリシャ語のa(否定、~ない)+ergon(仕事、働く」)
不活性な という意味です。
原子番号:18 原子量:39.95
融点:-189.37℃ 沸点:-185.86℃
密度:0.001784 g/cm3
常温・常圧における単体の状態:気体
発見された年代:1894年
M殻に電子が8個あります。
・地球上の大気で三番目に多いことで有名なアルゴンです。
希少って言ってますけど、身近に感じる二酸化炭素よりも大気中に多く存在しているのです!一番は窒素78%、二番は酸素21%、三番はアルゴン1%の比率になっています。
・また、蛍光灯の封入ガスや、溶接時の酸化防止用、古書の保存用など様々な産業で活躍しています。
Kr (クリプトン)
名前の由来は、ギリシャ語のkryptos 隠されたもの
原子番号:36 原子量:83.80
融点:-156.6℃ 沸点:-152.3℃
密度:0.0037493 g/cm3 (20℃)
常温・常圧における単体の状態:気体
発見された年代:1898年
N殻に電子が8個あります。
・電球に封入したり、ストロボに使われています。
アルゴンよりも、クリプトンを封入した方が、効率が良く小型に向くそうです。
Xe (キセノン)
名前の由来は、ギリシャ語のxenos 不思議な、変わった、なじみにくいもの
原子番号:54 原子量:131.3
融点:-111.9℃ 沸点:-107.1℃
密度:0.0058971 g/cm3 (20℃)
常温・常圧における単体の状態:気体
発見された年代:1898年
O殻に電子が8個あります。
・クリプトンと同様に電球に封入したり、ストロボに使われている他に、人工衛星や惑星探査機の推進用エンジンにも使われています。ロケットエンジンよりも燃費が良いそうです。
・また、希ガスは化合物を作らないといいましたが、キセノンは例外です。
フッ素と化合して、XeF2やXeF4 などの化合物をつくることができます。
Rn(ラドン)
名前の由来は、ラジウムが壊変して生じるから。
原子番号:86 原子量:-
融点:-71℃ 沸点:-61.8℃
密度:0.00973 g/cm3 (0℃)
常温・常圧における単体の状態:気体
発見された年代:1900年
P殻に電子が8個あります。
・放射性同位体です。
・常温の気体では、最も重いのがラドンです。
・温泉で有名な元素ですね。
鉱物から溶け出したラドンが温泉水や地下水に含まれ、それが健康に良いとされているそうです。
まとめ
希ガスは、
無色無臭の気体である。
価電子数がゼロであるため安定した単原子分子で存在している。
様々な産業で地味に活躍している。
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